Kitchen Garden


藤戸大三郎と根笹の雪
浜松市東伊場3丁目
伊場遺跡にほど近い閑静な環境の地に白玉山大巌寺という曹洞宗の寺院があります。鉄筋コンクリート作りの大きな本堂を構えているが 昭和54年に現在地に市内の成子町から移築されました。その跡地には現在福祉文化会館が建っています。旧寺時代には樹齢 300〜400年ぐらいの松の老木が枝をひろげ、広い境内では明治の頃まで芝居興行が行われていたと言われている。
その境内の老松の根本に「藤戸大三郎の墓」と刻まれた碑が建てられていた。この墓は大巌寺が移築された時に同寺の墓苑に今は 高さ70センチほどの四角な御影石の台座の上にすえられ、台座には「根笹の雪」と刻まれている。
藤戸大三郎は奥州白河出身の武士で、大三郎の父は白河藩主松平下総守の家臣で藤戸大右衛門と言い、同じ家臣の清水権右衛門と二人で 近習役として勤めていたが、ある時権右衛門の奇計にかかって生涯を終えてしまい仇を打つため大右衛門の子大三郎は諸国に旅たった。 権右衛門が逐電したため大三郎もその後を追ったのである。そして浜松城下でめぐり合うが大三郎は病魔におかされ敵討ちが出来ずに 無念の涙をのんだ。大三郎の悲運は母と彼が愛していた遊女錦木に知らされ、錦木は髪をおとして仏門に帰依し自正尼となり、その 自正尼が碑を奉納されたと伝えられいます。