田中城は瀬戸川に沿った微高地上に位置しており、戦国時代には三ノ丸までだったが、江戸時代初頭
       に外曲輪(そとくるわ)が増設されたという。四重の堀に囲まれ、「亀城」「亀甲城」とも呼ばれる直径約
       600mの同心円形の縄張りは全国的にも類例がない。城内は、本丸や御殿(田中藩の政務を
       つかさどる中心的な建物)の置かれた二ノ丸を中心にして、周りには藩校(日知館)、役所、武家屋敷が
       取り囲むように配置されていた。さらに、四ノ堀とつながる六間川は水路としても利用され、姥ヶ池を水源
       として城内や侍屋敷には上水道がひかれていた。