医王山薬王院油山寺(いおうざんやくおういんゆさんじ)

静岡県袋井市村松1       

 今から約千三百年前(大宝元年)に行基大士が万民和楽、無病息災を祈念し本尊薬師如来を奉安、開山された真言宗の古刹 であります。
昔、この山から油が出ていたので通称「あぶらやま」と呼ばれ、十方信徒に尊信されてきました。
行基大士御開山の後、天平勝宝元年に時の帝孝謙天皇が御眼病のみぎり当油山寺に御眼病平癒の祈願が下され本尊薬師如来に 祈願、るりの滝水を加持し、天皇はこの霊水で御眼を洗浄なされ、ひとえに薬師如来を尊信したまうところ霊験あらたかに 眼病が御全快し、当山を勅願寺に定められました。
以来千年の今日まで諸病全快、特に目の守護、眼病平癒のお寺として、又、当山の守護神である軍善坊大権現は、 足腰の病に霊験あらたかであるところから油山寺は目の仏様、足の神様として日々全国から信者のご祈祷、 参拝が後を絶えません。 

  
 重要文化財三重塔

 この三重塔は建久元年(1190年)源頼朝公が眼病全快のお礼に建立されたものであり、その後、遠江国守護職工藤祐経が 薬師堂と共に普請奉行をされた由緒深い塔であります。
内陣には、弘法大師作と伝えられる大日如来を安置し、塔の高さはおよそ23メートル、上層は唐様と天竺様を用い、 中下層は和様式、三手先組一式、上層は2.3メートル四方、中層は2.8メートル四方、下層は3.6メートル四方であります。